「心の宇宙」を表現した作品展に出展します。

ちなみに2月27日は森くん居るみたいです。




2015年1月



 

  2014年3月

さて、少し長い旅をして来ました。

旅のPLANについてですが・・実のところ、昨年9月からの新規プロジェクト業務の関係で思いの外、時間を取られてしまった事から、
とりあえず旅の日程だけを先に決めまして、内容と費用についてはインドの友人:フェローズ(彼とは2008年からの付き合いで、
僕の旅の嗜好面をほぼ熟知してくれておりますので)に丸投げしていたのです。
ですから、タール砂漠のラジャスタン州を中心に旅をすることになったのは、全くもって彼のPLANなのであります。

インドは僕が4回目、京子さんは2回目です。
一口に「INDIA」と言っても広大な土地 ですので、シルクロードを支那西安からトルコのイスタンブールまで10年近くかかったのと 同様に、
彼の地に於いても時間をかけて廻るつもりでいるのです。

今回の旅で使用した車両と専属の運転手(イスランさん)は、アグラで旅行車両会社 を経営しているフェローズの父親が提供してくれまして、
移動の距離はフェローズの暮らす ニューデリーからパキスタン国境の手前40qにあるSAMの街まで(SAMから先はラクダで西進しま す)全行程2500qを2週間かけて巡る旅でした。

ご承知の事とは思いますが、インドとパキスタンは過去には熾烈な印パ戦争がありまして、
現在もカシミール地方を巡っては両国間で発砲を繰り返し死者を出すなど、険悪な状 況が続いているのが実情です。
また、西のパキスタンや東のバングラデッシュ(旧東パキスタン)過激派、
あるいは南のスリランカ(旧セイロン)左翼などによるインド国内への侵入による爆弾テロ襲撃事件が連続している実態も、未だ具体的な解決には至っておりません。

宗教と領土で拗れてからまってしまった糸は、なかなか解れないまま世界経済時間だ けが容赦なく流れて行く・・そう言う構図です。
勿論、ラジャスタン州とパキスタンの国境でも少なからず摩擦は起きています。
しかしこの地方で大事件にまで至らずに済んでいるのは、インド国内で最大のイスラム教徒の巡礼地である
聖人ムイーヌッディーン・チシュティーを祀るダルガー(霊廟)がラ ジャスタンのアジメールの街にあるからです。

イスラム国家としてパキスタンが独立する前は・・かつてはインドと同じ国の人でし た。
分離独立で突然ボーダーラインが引かれてしまいましたが、国境を挟みながらもアジ メールは未だ聖地に変わりはないようです。

僕達にとってもこのような「パキスタン国境近辺の旅」ともなると相当に不安だったのですが、
フェローズの一家が元々厳格なムスリム(イスラム教徒)で、パキスタンにも親戚が多い事もあって、
周辺の危機状況についてはフェローズが携帯で密に連絡を入れるなどして、 よく把握してくれておりました。
僕達にとってはこれが胸を撫で下ろせる大きな理由でし た。

勿論、旅行会社ではインド-パキスタン国境は敬遠しますから、このような少々ディープな旅 も、前述した通り、イスラム人のフェローズ達が一緒であればこそ、可能な事でした。

しかしながら僕達も昔と違って若くはありません・・移動での筋肉痛と体力消耗ではいささかきつい面があったのも実情です。

さて、現地の状況ですが、特にジャイサルメールからのキャメルサファリでSAMの街辺りまではヨーロッパ人の旅人を見かけることは出来ました
(とは言っても、ここで日本人、東洋人は僕達だけです)。
が、さすがに更に西ともなれば誰もいません。

僕達はそれぞれのラクダに乗って先に進みましたが・・まさに「異邦人」そのものの異国感で、
また、長時間のラクダはモンゴルで経験した快適な乗馬体験とは全く異なり、乗り心地も悪く、
何しろ鐙が無いので、股関節と腹筋が疲れるのにはさすがに閉口しました。
・・あと10q西進すると、より国境が真近になり、ちょっとした記録(意味の無い) 達成だったのですが、
「たまに迫撃砲が飛んで来る」なんて言葉に・・急ぎ引き返しました。

持参したカメラは3台。200ミリレンズを固定で装着し、今回は350ミリスタビライ ザーの望遠レンズは日本に置いて来ました。
日本を出発前にフェローズから「レンズが長いと武器に間違われてしまうかも・・」 なんて事も言われ、初っ端から脅かされる有様だったのです。

・・などと、まあまあ・・
少々オーバー(まるで戦場カメラマンのような)な言い回しをしてしまいましたが、
実際のところはイスラムのフェローズや運転手のイスラン達が常に随行していましたので何の危険 も感じること無く思う存分写真も撮れまして、
何よりもラジャスタン地方特有の素晴らしさを 十二分に満喫して帰って来られたのであります。久し振りに満足のいく素晴らしい旅でした。

ところで、ラジャスタン州の「ラジャ」とは、イスラム語で王様と言う意味、
スタン は場所、あるいは地方と言った意味・・つまり、「王様の居る場所」と言うことです。
そんな王様がラジャスタンには数人いるようで、彼等は広大な土地と大理石(アグラ のタージマハルに使われている総大理石もここが産地です)や
数々の種類の宝石を採掘する鉱脈を 独占しています。

ここでのラジャは末代までも金持ちで、言わば「金持ちが宿命」と言うことですか ら・・
何とも、開いた口が塞がらない世界なのであります。
中でも州都のジャイプールの王様はマハがつき、それがよく耳にする「マハ・ラ ジャ」です。
要訳すると「王様中の最強王様」・・そんなところでしょうか。
とにもかくにも半端ではない金持ちで、宮殿には今も6000人の使用人を抱えているそ うです。
下世話な僕なんかは『維持費や人件費は一体、幾らぐらいかかるものだろうか?』
等 とすぐに運営経費に計算を入れてしまうのが何とも淋しく思うところであります。

今回のホテルはフェローズの計らいで特別に宮殿ホテルを泊り歩きました。
これも滅多に無い機会でした。
ラジャスタン特有の建造物。宮殿ホテル、ハーヴェリーと壁画、ヒンズー・ジャイナ 教等の寺院と神々の荒彫りの石像、
イスラム教の霊廟・モスク、そして広大な冬のタール砂漠の 風景と砂漠の民、上る太陽の神秘さと大きな落日、などなど・・
写真は僕が1500枚、京子さんが800枚撮影しておりまして、最近では京子さんの撮影 技術も相当腕を上げているように思います。

次回の為に、現在僕の使っているカメラを上達した京子さんに譲り、
僕は・・へ へ・・それを口実に内心、新しいカメラを買おうと、タイミングを模索中なのです。

現在、暇を見つけては時系列に沿って少しづつDTを整理しているのですが、結構時間がかかります。

撮影内容については、今後の僕の作品制作のモチーフ材料として反映出来そうですし、何よりも まず、この眼を肥やせた事が大きな収穫でした。

2014.03.03 Hayato-Mori





上野の東京都美術館での「第38回ima展(国際現代美術家協会)」展示会並び授賞式 [ 2012.12.14 森勇人 ]


立体部門では僕と岸上さんと僕の二人が賞をいただきました



受賞作品 Ta Prohm Cloister (古老樹の廻廊)  ima展でのレリーフの額を制作してくれた木工家の大塚和彦氏(左)と


東京都美術館で開催される第38回ima(国際現代美術家協会)展は、フランスの歴史
ある美術団体SNBA(ソシエテ・ナショナル・デ・ボザール) が共催する国際公募展で、
日本では外務省・文化庁・東京都が後援母体になっています。
昨年の2011年はパリ・ユネスコ本部で「imaパリ展」が開催されました。


Ta Plohm Cloister (古老樹の廻廊)


今回応募した作品のレリーフ本体は等身大、キャンパスは1200×900、
また、遠近感を狂わせる様な自立出来る額を木工家の大塚和彦氏に特注で造ってもらいましたので、
このサイズはおよそ1400×1300×450位の大きさになります。

本来ですと造作の完成後はしばらく期間をかけて毎日眺め続け、
直す部分をしっかりと確認したい所でありますが・・完成段階ではそれ以上は上手く見えて来ませんでした。
恐らく3カ月眺めていないと見えてこないような気がしました。
(これは完成度が比較的高い事を意味します) ですから、まあまあ・・現在の僕の状態ではこの程度で!と、
自分に言い聞かせつつ仕上げに入った訳であります。
当初は緩やかなガンジスを漂う7つの顔を50号サイズで10月中旬から制作していたのですが、
後に大塚氏に頼んでいた額が出来上がって来ましたら、ガンジスを表現するにはどう考えてもサイズが足りない。
等身大の顔を創っていたことから・・恐らく100号位が必要だったのでしょう・・ 
かと言ってこれをキャンパスに合わせて縮小した顔にした場合、表現範囲に限界が出てしまいます。
また、顔は既に等身大の物を7つ仕上げていたのです。

それで急遽、作品内容の変更を考えたのであります。
しかし、この時点で11月7日のです。搬入は12月4日・・ここに来て新たな制作となればちょっと閉口モノであります。

『・・どうしよう!! ・・時間が圧倒的に足りないっ!!』

◆そのようなピンチでありましたが、たまたま半年前から創り出した来年4月に水戸で
展示予定の塑像がほぼ完成間近でありましたので・・その塑像を背骨から腹部にかけて斜めに切断し、
これをレリーフとして本体に仕上げたのです。

作風については、何度も夢に見ていたイメージを題材に具現化してみました。
かつてカンボジアを旅した時の「タ・プローム遺跡群」をモチーフに、
背景の壁の中から現れるサキュバス(両有性具者)を塑像で中性的に仕上げ、
「古老」を想わせるカジュマルの樹の根が壁を透いてサキュバスの身体の中を通り抜けて行く・・と言った、
表情的には静かな狂気を表現してみたのです。(僕自身が狂気?)




◆そのような経緯で、12月4日には審査の為に会場への搬入を完了させたのです。

本日ima事務局から封書が届きまして、
ありがたいことに今回の僕の応募作品:エントリ ーNo.5523番・「Ta Plohm Cloister (古老樹の廻廊)」
が入選し、奨励賞に入賞したとの通知でした。
授賞式とレセプションは12月15日、東京都美術館で予定されるに至っております。

 [2012.12.08 森勇人]




素晴らしい作品が揃ってますので、是非見て下さい。


次の「羽化覚醒」は2012年6月、渋谷NHKホールギャラリーでの展示作品です。






次の「新羅の掟」は2012年5月、 品川プリンスグランドホテル新高輪にて”Doll Expo 2012”での展示作品です。






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